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だいこくさま

ここでは御祭神、大国主大神(だいこくさま)のお話をしていきたいと思います。

だいこくさまは私たちの遠い遠い先祖と共に日本の国土造りに神力尽くされて、
医薬温泉、酒作り、農耕、橋かけ等もろもろのことを生きとしていきる人類のために尽くしてくれた神様であります。
 
だいこくさまのことを昔から天が下造られし大神ともいい福を招来する大神としていまなお多くの人にその、五徳を慕われ崇められているのです。

まただいこくさまには数多くの神名があって成長の徳ごとに神名も変わっていますので、
ここに明記して皆様に、だいこくさまのお徳を知っていただきたいと思います。

1.
豊葦原の瑞穂国 (日本の国) に生まれいでたるときに、葦原色許男神 (あしはらしこおのかみ) 女神たちの、みこころを安らか安心させる霊力の神

2.  八千矛神 (やちほこのかみ)と成れば大八島国々に荒振る神たちを坂の尾の毎に追い払い河の瀬のごとに追い払い平らげ、(日本の国、世界の国に悪い心をもって暴れ廻る悪い神)を迅速の力をもって鎮める霊力の神。

3. 大穴牟遅神 (おほなむじのかみ) は、少彦名神 (すくひこなのかみ) と神力を合わせて生きとして生きる青草人、鳥、獣にいたるまでに十の宝、生玉、足玉、足矢、をもって悪い病を癒すために、医薬の充実、農業、工業、漁業、国土の開発橋掛けの技術、温泉、お酒造りをも授けられた威霊の力をもった神。

4. 宇都志国玉神 (うつくしくにたまのかみ) と成りては、世の中を納め国土を鎮たまう、地球全体の一霊四魂の神の霊力をもつ神。

5. 大国玉大神 (おおくにたまのおおかみ) と成りては大和国 (奈良県) の三諸山に鎮まり国の御柱となる霊力を表す神。

6. 大国主大神 (おおくにぬしのおおかみ) この神がだいこくさまと成りてはこの世を護り生きとして生きる人々に無限の富、願い事をかなえてくださる福の神。

7. 大地主の大神 (おおどこぬしのおおかみ) と成れば五柱の東、西、南、北、中央の神と共に日本国土の土地を守護し払い清める霊力の神。

8. 幽世の大神 (かくりょのおおかみ)と成りては、この世を去りぬるのちの魂を救う霊力のある大神 (仏教でいわれている閻魔大王、地獄の裁判官も、だいこくさまの尊い変身の姿だといわれています。)
   

このほかにもだいこくさまは数々の御神徳を顕わして下さいますが、
男女、夫婦の縁結びや商業、工業の商売上の縁結び、また人々の縁結びの大神さまでもあります。

だいこくさまの威霊の神力は陰で励ましてくれた父、母神の情やいつもそばで支えてくれた妻神、須勢理姫神の愛の神力も忘れてはならないものです。

だいこくさまの御神徳は天明だいこく神道で作り上げたものではなく、古来より古事記、
日本書記などに書かれたものをわかりやすく知っていただくように書きましたが、だいこくさまをより一層理解していただくには、
因幡の白兎の話をしていきたいと思います。


 

因幡の白兎

このお話は、大国主大神 (だいこくさま) が大穴牟遅神 (おほなむじのかみ) の
神のころの出来事です。

だいこくさまには大勢の兄弟の神々がいましたが、誰も自分が自分が国を治めることを
辞退して国を治めようとしません。


兄弟神はみんなだいこくさまに国を治めろと口をそろえてお譲りになりました。 
その訳は兄弟神たちは話し合ってそれぞれの神々が因幡の八上姫に求婚しようという
考えがあったからです。
 

ある日のこと兄弟神はだいこくさまにおまえも一緒に因幡に行こうと誘い兄弟神はだいこくさまにみんなの旅行の袋をかつがせ、従者として連れていきました。

兄弟神が気多の岬に着いたときに、素っ裸になった兎が横たわっていたので、これを見た兄弟神はいたずら心を出して兎に「おまえのすることは、ここの海の水を浴びて、海風の
吹くのに当たり、高い山の頂に横たわっていればいいよ」と教えました。

兎はそこで神々の教えに従って山の頂に横たわっていたが、浴びた海水が乾くに従って、
体の皮膚はすっかりと風に吹かれてひび割れてしまった。

兎は「痛いよう、痛いよう」と痛みに耐えかねて苦しみ泣き伏していると、神々の最後に
やってきた大神 (だいこくさま)がその兎を見て、どうしてここで泣き伏しているのですかと聞くと兎は答えて、はい、私は隠岐の島に住んでおりましたが、いつも本土に渡りたいと
思っていましたが、渡る手だてがありませんでした。

そこで海の鮫をだまして、鮫さん、あなたの同族と、私の同族とどちらの同族が多いか
少ないか数えてみませんか、ここにあなたの同族のすべてを連れてきてこの浜から向こうの気多の岬までみんなを伏して並んでみて下さい。

あなたの同族の数を私が走りながら数えて渡ればどちらの同族の数が多いかすぐに
わかるでしょう。
といいますと、鮫はだまされたとも知らずに、気多の岬の方に並び始めましたので、
そっそく私はその上を踏んで数えながら渡って来て、今まさに地上におりんとしたときに、
私は嬉しさのあまり 「やい、おまえらは私にだまされたのだ」 と言い終わるか終わらないうちに最後に乗った鮫に捕まってすっかり毛の着物をはぎ取られてしまいました。

こうした事情で泣き悲しんでいたところに、先に行きました大勢の神々が、言葉をかけて、
 「海の水を浴びて風に当たって横になっていれば治る」 と教えていただきましたので、
教えの通りにいたしましたところ、反対に痛くてたまらず体に傷ができました。と申し上げるとだいこくさまは兎によくわかるように教えてあげました。
 
「今すぐにこの河口に行き、真水でおまえの体をよく洗って、そのまま河口の蒲の花粉をとって敷き散らして、その上を転がり廻れば、元の体にきっとよくなるだろう」 とおおせられました。
そこで教えのようにしたところ、兎は元の体になりました。 この話が因幡の白兎です。

今に至るまでこの兎を兎神として鳥取県の気多の岬に神社が残っています。 
さて兎はだいこくさまに先に行かれた大勢の兄弟神は、きっと八上姫を妻にすることは
できないでしょう。

袋を背負っていやしい役目をしておられますが、あなたが必ず得られるでしょうと申し上げました。

 
     
     
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